入学式
西園寺京子は屋敷律子の純情無垢の幼顔に視線を止めていた。
「ねえ……」
「……」
大家貴美子は、見惚れている京子に小声で話しかけていた。
貴美子は、正面を見ながらチラ見しているが、京子には気づかない。
「ねえ……ねえ……」
「はっ……はい」
京子は、ようやく、貴美子に気づいたが視線はそのままだった。
周囲の視線を気にしていない京子は真剣なのだ。
担任になりたい、一緒に話をしたいと考えていた。
(もう……京子ッたら、若い子に見惚れてバカ)と貴美子はつぶやいた。
「それでは、1年2組 担任の大家貴美子先生と副担任の西園寺京子さんです」
入学式で正担と副担が紹介された時、場内は感嘆の声が聞こえた。
「きれい〜……」
美人の二人が、そろっているクラスなんて、珍しい事のなのだろう。
入学式が終わり、各教室に生徒が移動していた。
「もう……京子ったら、若い子に見惚れちゃって」
「ごめんなさい。可愛かったんで、つい見ていたので……」と京子は貴美子に謝っていた。
「私が、正担ですからね。あの子は、私のモノよ」
「はっ!……はい?……貴美子さま……」
たぶん、可愛いあの子は、貴美子が犯すので、その後三人で愛し合えるのだと考えていた。
美人の二人が話している姿を、見つめる女の子がいた。
まるで、人形を欲しがる、わがままな子供の眼差しだった。
まだ、おとなしい新入生の中にレズビアンのテクニシャンがいたのだ。
その子の名前は、地主美紗緒だ。
その名の通り地主である。
小作人を統括していた地主を代々襲名している銘家だ。
農地解放時に上手に回り、後に法人として土地、家屋を継承していた。
なぜか、女系家族で、代々婿養子になっていた。
つまり、妻が実権を握り、おとなしい婿を威圧していた。
当然、美紗緒もそういう風に教育されていた。
はっきり言うと。わがまま娘なのだ。
レズビアン家系なので、可愛い子を養女にしたりメイドとして調教していた。
美紗緒は、学校にレズビアン愛奴を探しに来ていたのだ。
教室にて……
「1年2組 担任の大家貴美子です。よろしくお願いいたします。
それから、副担当の西園寺京子さんです。京子先生と呼んでね」
京子は、貴美子に紹介されてニコリと微笑み頭を下げた。
京子は、あまり声を出さないし、口出しもしない。
今は、律子しか見ていない。
「それでは、皆さんの自己紹介をしてください〜席順でね〜」
京子は、わくわくしながら、律子の声を待っていた。
「初めまして、屋敷律子です。……
よろしくお願いします」
京子の視線を避けながら、下向き加減で囁いていた」
「地主美紗緒です。ミサって呼んでください」
美紗緒は、一言でわがままと分かる言い方と、フンっ……と、鼻を鳴らした。
「次!」
もっとも、貴美子はサドだから、美紗緒を調教したいと思った。
これが、京子に幸したのだ。
教室から誘う
「まず、京子は美紗緒を誘うのよ」
「はい、貴美子さま」
貴美子は京子に命じた。
「美紗緒さん、今日は私の車で帰りましょう」
「はい、先生」美紗緒は簡単に了承した。
「でも、先生、わたし律子と帰るんで、一緒に乗せてください」
「えっ!律子さんとお友達なの?」
「はい、私の彼女なの」
「あっ……そうなの……」
「やだ、先生がっかりしたみたいね。……抱きたいの?」
「まさか、愛し合ってるの?」
「えぇ、愛奴って、家で呼んでるのよ」
「……」
驚いた事に純粋無垢だと思っていた律子が、愛奴なんて信じられなかった。
驚いた京子に、勝ち誇ったように言いながら京子の手を握って来た。
「先生、教師なんか辞めて、私と暮らしませんか?」
「私で良いの?」
「良いんですか?それなら、今日は、一緒に家に来てください」
京子は、トイレに行き、貴美子にメールをして、指令を待っていた。
「今日は、泊まりなさい。お土産を期待しているよ」
と返信のメールがきた。
京子には最高の日が舞い込んで来た。
明日の朝は、律子と一緒に迎えられる。