題名「 淫乱館」です。あらすじのみの構成です。2004/5/30日新作

 知人の紹介で駅の裏通りに案内された。
昔から出入り禁止区域である。
ここは終戦直後に赤線と呼ばれた売春区域である。
その一角はヤクザの資金集めに利用され地元の人は敬遠していたのだ。
何も知らない旅行客や田舎者がカモである。

 知人の話はこうである。
若い女が抱けると言う相場は一万円からキリがないと説明した。
私は若い女が居るから必要ないと断ったのだが話があるからと連れて来られた。
いかにもヤクザの呼び込み数人に見回られ顔パスの知人は挨拶をしていた。
彼は高校一年生チーマーである。
呼び込みは彼に挨拶をしながら、中程まで案内し奥の店を指差した。
「おっちゃん、あそこだよ。可愛いハーフが居るんだよ。」
「だから女は要らないよ。」
「わかったよ。ホモだろ?」
「アホか」
お前の同級生だと云いかけたが無駄な事だと言葉を飲み込んだ。

 店はミラーガラスで店内は見えない私はドアを開けて驚いた。
狭い店内はスタンドバーでカウンターに男が五人座っていた。
手前には二組のソファーに別れて十人位の女子高校生が制服のままでいる。
 知人に「ご苦労です」と振り向いた。チーマー仲間である。
「店長だ!」と同時に言う・・・みんなは私を恐れている。
 私は、溜り場だと理解して、軽く挨拶をして知人と奥に入る。
 階段を上がると二階には部屋が五つある。
正面ドアを開けると知人は窓を開けた。
裏は線路と河原である。

案内されたが、暫く待たされた。
 彼はフロアに行くと言い残し部屋から出ていった。
私は窓から見える風景に、ことわざを思いだした。
栄枯盛衰である。
栄華を極めていた町の陰に隠れた遊女たち
崔の河原に石積みして願った叶わぬ夢
逃亡か死か
耐えきれない時はどちらか選ぶ
なんて哀れな風景だ。
私は、二十年前、先輩の丸さんから詳しく聞いていた。
 その時「ママ」っと叫ぶ若い娘の声がした。
ドアの向こうから声が聞こえた。甘える様な大声は一言だった。
無言の時は長かった。
 「お待たせ」ドアの隙間から綺麗な脚が見えた。
また地獄の始まりだ。

平成の今は面影はない。昭和後期に大火になり建て直された「 淫乱館」である。
 二十年前、地下の飲み屋街で大暴れした博先輩と丸さん
私は二十歳の良い男だった。まるで昨日の事の様である。

「紹介するわ。リサよ」若い女が後ろから着いて来た。
「覚えてる?私・・・丸さんの女だったのよ」と綺麗な脚の女はソファーに座る。
「解らないよ」私はハッキリ覚えていたが、しらを切った。
なぜなら、丸さんが服役した事件を思い出したくないからだ。
「娘は丸さんの子供よ。してあげてね」
「ハーフなのに丸さんの子供なのか?」
「私の子供じゃないわ」
「今日は話があるんだろ?子供に興味は無い」
「違うわ・・・体に刺青があるのよ。抱かないと見せないよ」
「丸さんと同じか?」
「体に聞けばいいでしょ?・・・リサを抱かないと見せないよ」

丸さんには刺青などは無いしこの若い女を抱く理由もない私は女に試されているのだ。あの時の刺青女子大生二人は今は居ない一体この女は何者だろう刺青を見なければ成らない私は女に話を合わせ若い女に命令したわかったよ抱くから脱ぎな刺青はタトゥーで肩にあるだけだオホホ〜と笑い私に話始めたあなたが愛した女の妹よあれから姉は行方不明替わりに私が売られたのそうかあの店に居た頃妹がいると聞いたよ本当の子供だろ。似ているよ私は女がこの店を任されているとは思わない売春かい違うわ私は売春はさせないわ意外な言葉に嘘は無さそうだ私を呼んだ理由は何だ察しがついた様ね姉の復讐よ作戦を考えてくれるわね嫌だと言わないけど何で俺が居るとわかったんだそれだけ聞かせてくれないか簡単よ実家に電話しただけよ嘘でもいい私が若さで叶わなかった力が今はある二十年の雪辱を晴らす時が来たの打ち合わせは体よえっ私は姉と肉体関係には成ってはいない姉がね初めて愛した男なの抱かない男がいたと泣いたわ私は後から丸さんにあの女を抱くと消されると聞いた理由は愛しているから抱かせないどぶねずみという店はこの店に変わったのよと女は言った姉が薬漬けの日々を耐えた私はこの窓から逃げたり線路に飛込んだりしないわ姉の二の舞いはしないのよ確に女は泣いていたここは私の館なのよ誰も手を出さないわ私は娘を抱きたくない激しく女を抱いた違う妹ではない私は女が親族ではないと直感した。抱かれたかったの娘は下に行かせた今から復讐の話をするから誰にも言わないでね私たちは三時間程入念に打ち合わせた夕方女は私に抱かれながら甘えた私ね姉が好きだった男の妻に成りたいの何だって俺に当たりクジを引かせたあなたが新しい主人に成るのよこの館は今からあなたの物なの要らないよ私は由来を女に伝えた何で要らないの俺は過去から逃げ出して強くなった弱虫だ強い者は亡くなり弱いから生きているこの館やお前達に甘えたら駄目な俺に戻ってしまう復讐がせめての花向けだ私は彼女が居るからだと言わない因縁の対決は簡単にはいかないし命の保証はない明日から暫く泊まるから娘を抱いて三人で寝たいな私は携帯でメールしていた。あら若い女居るのね?何気無く女に訪ねられたまさか居る訳ないだろ私は携帯をしまうパールピンクはおかしいわ私と彼女は同じ携帯であるユキだよね何で知ってるんだ娘と同じ学校よユキは可愛い女を見ると友達になる鮎が絡んでいるのか今となればどうでもいい事だ私は復讐の盾になるいや矛かもしれない四十で死んだ丸さんの執念が私を誘ったんだ昔の私は気難しい理屈屋だった女を抱かないのでは無かった抱けない女性恐怖病だ中年男にたかる十八の女が嫌だった私はその女に惚れていた今ならわかるが若い時には理解出来なかった丸さんにしか話をしない神秘的な女あっ今思い出したあの子だ肌の白さが私の憧れだったが海外に行ったはずだ本当に妹だったのか何度も自問自答を繰り返していたまた無駄な朝を迎えてしまった女に名前を呼んだ千賀子えっ私を思い出し顔が変わったし声がハスキーになったしモルジブ内戦で変わったのよあの子を産んで整形したの丸さんを忍んで日本に帰って来たらこんな女に成ったのよ私は念願が叶った気がした若さは時として意地を張りやがて口も聞かない犬猿の中になる本当は愛し合っていたのに若さはもう無い今は大人同士新しい出会いだ二十年の時が流れたから愛し合える時がきたねあのフランス人形が私の女になった懐かしい歌をあのシャンソンを最後に歌ってくれないか別れの門出だよいやよわがままだった私を叱ってくれたのはあなただけよみんな若い体が目当てだとわか千賀子は私を組の幹部に会わせてくれたあなたが店を継承したいのですかはい私の店にしたいと思います残念だな区画調整で他人に名義変更は出来ませんただし親子なら出来ますよはい婚姻予定なので入籍を済ませたら同居します未婚なんですかはいお子さんはいますかはい前妻に十八の娘が居ますそれなら話は早いわかったよ後はママと話をつけるよ私は相手の真意がわかる娘を売るつもりだまさか私が悪人だとは思っていない信用はされたまずは第一段階クリアー早速区役所に婚姻届けを出した第二段階は新しい妻の借金を返せと言われるはずだ。
入籍しましたねはい早速何ですが奥様には借金があるんですよ。えっ聞いていない。いったいいくらなんですか?ゆっくりと借用書を見せた。私は金額を確認し驚いた振りをした。確かめましたね。はい妻と話をしてお返事します。おい話なんかは必要ない。連帯保証人になれ。嫌だ。何を言っている早くしろ!男は焦る。じらしながら私はこう言った。弁護士が後日お話しますから悪事は今日までだな。開き直った私に相手は笑った。アハハハ〜私は予想外の態度に面を食らった。見込んだ通りだ。これなら次の段階に行けるな。私には、わからない話が次は、手強いですよ。今日から、あなたが代表なんで、よろしくな。差し出された手を私は考えもせずに、握ってしまった。やくざの挨拶を知らなかった。












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