題名「・・・小さな愛1・・・ 」です。あらすじのみです。
原稿です。

 彼は小さなタバコ屋を営んでいた。先代から受け継いでいた家業であるが、
会社員なので、妻に任せていた。彼は定年を境に、タバコ店で働き始めた。
 年金暮らしで質素に暮していれば、全て無くす事は無かっただろう。
それは小さな愛から始まった誘惑の話である。


いつもの様に自動販売機にタバコを補充し雑用を済ませ妻の世話をしていた。
「すみません」と女の声がした。主人はゆっくりと店に顔を出した。
歳は二十歳くらいの綺麗な女が立っていた。
「何ですか?」
「販売機にお金が詰まったんで直してください。」
良くある手口だ機械はカウントしているし異常なら表示する。
タバコ屋だから対応は慣れていた。コインメックに変形コインが止まっていた。
 やっと取り去り女に渡した。
「ありがとう」女は周囲を見渡しあれっと呟いた。
「どうした」
「今、そこの角にに車ありましたよね」
「見なかったな」
「今、見たらいないんです。困ったな〜」
「訳があるんなら、聞きたいから、店でお茶でも飲まないかい」
「でも〜」
「いいから入りなさい。」
店の中を見渡せる場所がある。
二人は椅子に座って見つめあっていた。
「私帰る所がないんだ」
「そうかい泊まって行けばいいよ」
「良いんですか」
「どうせ二人しか居ないから遠慮するな」
「でも、私が悪い事したら困るでしよう」
「あぁ…さっきのコインはウォンだね。韓国人かい」
「私は日本人よ。彼から渡されたの…」
「変造コインは犯罪だよ。明日警察に行くんだな」
「はい、行きます」
「冗談だよ。素直だね」
「違うんです。彼と罪を犯したんです」
「どんな罪だ」
「言えないんです」
「言えないなら聞かないよ。私たちには子供が居ないんだ。
今日だけ子供に成ってくれたらお金あげるから逃げなさい」
「明日警察に行くからお金は要らないから私のお願い聞いてね」
「なんだい」
「罪の償いしたら子供にして下さい」
「いいよ」
「良かった。」
「私が言うセリフだよ」
「彼女でもいいよ」
「私は妻が居るから遠慮するよ」

「私上手だよ」
「何が上手なんだい」
「何でもよ」
「そうか、だったら料理は出来るかい」
「はい、作ります」
「今日は、出前にするよ」
「掃除だったら、するからお部屋案内してよ」
 主人は無警戒で全部教えてトイレや風呂場を掃除するのを見ていた。
いや段々女を意識し年甲斐もなく興奮してきたのだ。
夕方まで女は掃除していた。さながら大掃除だ。
「ねえ、これは要らないの」
「あぁ…捨てるから…」物置まで片付いた。

「やっと、出前のお寿司が食べられるな。妻に食べさせてくれないか」
「うん、お母さんアーン」
「お婆さん美味しいか」
妻は歩行出来ないからな。体を拭いたり用足しをしてあげてくれないか」
「はい、お父さん」
「慣れているんだな」
「うん、何でも出来るよ」
「そうか、酒やタバコは飲まないのか」
「うん、タバコは吸わないよ」
「何が趣味だい」
「夜のお勤め〜」
「また冗談か…」
「上手よ」
「お風呂は入るか」
「うん、洗ってあげるわ」
「まさか、先に入りなよ」
「一緒でないと洗えないし垢取り上手だよ」
「いいのか」
「うん、赤ちゃん欲しいな」
「誰の…」
「お父さんのだよ」
「本気かい」
「明日、警察に行くから今日しか無いでしょ」
「小さいだろ」
「そんな、私見たこと無いし…わかんない…」
「初めてなのか…」
「うん、おじさんのが初めてだよ」
「妻はチンチンをちいさな愛と呼んでるんだよ」
「どうして、ちいさな愛なの」
「愛している人のチンチンの大きさは関係ない。大きい人は他にもいるんだと、
心が広いからチンチンが小さくても愛してあげる。だから、ちいさな愛なんだ」
「わかんない…でも私も愛してあげるね。赤ちゃんみたいな…ちいさな愛」

 主人は女の暖かさを何年ぶりかに味わった。
若い女を抱くなんて夢にも思わなかった。

 翌朝早く女は消えていた。お金は無くなり通帳や株券も無い
女の挙動からわかっていたので、主人はわざと少額の現金と通帳と株券を見せた。
 タバコ屋は狙われるから、取られても良いように貴重品などは他に預けてある。
妻がにこやかに言った。
「お金で買えない。愛を楽しんで良かったね」
「あぁ…楽しかったよ。ちいさな愛だからな。また少しづつ貯めるよ」
「まあ…浮気者」
「あははは…お前に言われちゃお終いだな…」
「お互い様よ」
「昼はカツ丼だな」
「今更、生をつけても遅いわよ」
「そうかな、昨日はナマだったのに…」
「私とおんなじね」
「懐かしいな…お前とおんなじ手口だな。
不思議な事に商品や貴金属は盗んでないんだよ。」
「お金は沢山あるから構わないわ」
「そうだな億万長者だからな。
お前も私の宝になったんだから、あの子も改心してほしいな」
「若いから、わからないのよ」
翌日警察から電話が来た。

「警察から電話が来たよ。あの子が盗んだ物を持って出頭したんだよ…
身元引き受け人に成ってほしいと言ってるから弁護士に委任するよ。」
「そうなんだね。深い訳がありそうだったものね」
「息子に頭を下げるのも久しぶりだし、
警察にはあの子の被害は無いし、娘を返して欲しいと言ったよ。」
「いい子だね」
「また、宝が増えたぞ」
「いやらしいわ」
「お前もいい思いが出来るな」
「お漏らししたいわ」

主人は弁護士の息子に電話して「女を引き取り養女にする」と言った。
「賛成…やっと後取りが出来たな。任せろよ。なんか裏があるんだろうね」
「あぁ…可愛いぞ…処女だからな」
「馬鹿親父…あははは…」
電話はすぐに切られた。
「タバコ屋なんて、やめてハワイに住むか」
「いいわね。」

女は司法取引をするために微罪を口実に組織の全容を弁護士に話した。

「余談だが、妹に成ったな。」と誰か判らない弁護士は笑う
「何ですか」
「私が馬鹿息子だよ」
「え…あのタバコ屋には子供は居ないと言ったのに…」
「そうだよ。タバコ屋には子供は居ないよ。君が子供だよ。」
「だって、お金や資産なんて無いでしょ。」
「知らないんだな、お金は要らない人なんだ。とにかく仲良く暮せるかい」
「わからないけど、私おじさん好きだよ。」
「お腹の子供を大事にしなさい。」
「はい」
「過去の罪は、裁かれて楽になりなさい。おなかの子供のためだよ」
「おじさん、わかっていたの」
「心が広いんだよ。甘えなさい」

娘は臨月を迎えた。

「なんだ嬉しい事があったのかい」
「うん、産まれてくる赤ちゃんの夢を見たんだ。かわいかったよ。」
「赤ちゃんのオッパイ飲んでるから元気に成ったよ」
「オッパイは赤ちゃん優先だよ。パパのミルクは私だけの栄養よ」
「うまいこと言うねえ」
「質問していい」
「何でも聞いてくれ」
「産婦人科の先生から聞いたわ。パパは無精子なんでしょ」
「そうだよ。娘が言ったのか」
「先生も娘なの」
「あぁ…似ていないだろ…私には精子は無いよ。もう質問はないのか」
「うん、愛している?」
「愛してるよ。ちいさな、ちいさな愛だよ」
「嬉しい〜」
妻の二人の子供は弁護士と医師だ。もちろん他の男の子供だ。
終わり

次ページ★題名「先代の悪巧み」です。★構成★校正中
前ページ★作品インデックス★ かずみラブトップに戻る